自分を基準に考えよう!

 

自分は何がほしいのか?

自分にとって大切なのはなにか?

自分がしたいことはなんなのか?

 

基準は自分自身で他人ではないですよっ

てお話です

 

 

対比効果

高価なものが安く思えて買ってしまうのはなぜでしょう

 

対比効果が判断を歪ませる

ちょっと間に合わせに何か食べて腹を膨らませたいと思い、たまたま入ったのが高級レストランで、メニューを見てあまりに高いのに驚く、というようなことはないでしょうか。

 

いえ、あったとします(笑)

 

そんな時は、仕方なく最も手ごろな値段のメニューを頼むことになりますが、普段なら高すぎると思う値段でも安く感じられるものです。

 

それが対比効果です。

 

私のような背の低いのを気にしている人が、背の高い人たちと一緒に写真に写るのを嫌がるのも、対比効果により、とても小さく見えるのを避けたいからです。

 

このような対比効果の存在は、目の錯覚をもたらす錯視図形を見るとはっきり確認できます。

 

同じ大きさの円なのに大きさが違って見えるという、エビングハウスの錯覚です。

 

周囲を小さい◯で囲まれている場合と、大きい◯で囲まれている場合では、真ん中の◯はまったく同じ大きさであるにもかかわらず、小さい◯で囲まれている方が大きく見えます。

 

そこにも対比効果が働いています。

 

周囲の◯が小さいと、それとの対比で実際以上に大きく感じられ、周囲の◯が大きいと、それとの対比で実際以上に小さく感じられるのです。

 

説得場面でよく用いられる対比効果

この対比効果は商品販売でも企画提案でもしばしば用いられます。

 

例えば、普段50,000円の服など遠高くて買わないという人が、

「これ、よくお似合いだと思いますよ」

と店員がつぎつぎに出してくるのが7〜8万円で、その後に50,000円のものを出されると、「このくらいなら手ごろかなぁ」

と感じて買ってしまう。というようなことがよくあります。

 

企画提案でも、いろんなオプションをつけた場合の料金を提示した後、そうしたオプションをつけない場合の料金を示すと、実際非常に安く感じられたりします。

 

それを狙って、受注することなど想定していないオプションをやたら用意して、非常に高額な料金をわざと提示し、

「でも、正直言いまして、そこまでグレードを上げなくても充分だと思うんです」

などと言って、オプション抜きの料金を提示して勧める、といった手法も使われます。

 

社会的比較

売れていると言われるとどうして買ってしまうのでしょうか

 

「みんな」を基準にするから選択を誤る

服を買いに来た人も、バッグを買いに来た人も、自分に見合うもの、自分が気に入るものを買いに来たはずなのに、店員から

「これ、すごく売れてるんです」

「これが今一番の人気です」

などと勧められると、それを買ってしまったりします。

 

落ち着いて考えてみれば、大切なのは

「自分がそれを欲しいかどうか」

であって、

「多くの人がそれを欲しがっているかどうか」ではないはずです。

 

人によって好みが違います。

 

求めるものや優先順位が違います。物の購入に限りません。

 

ベストセラーと聞いて読んだ本がつまらなかったり、大ヒット上映中となっているから観た映画が退屈だったりしたことはありませんか。

 

結局、

「自分」

基準にすべきところを

「みんな」

を基準に選んだため、買ったのに全然使わない日用品があったり、やっぱり自分には似合わないためほとんど着ない服があったり、つまらないことにお金と時間を使ったりしてしまいます。

 

「売れているもの」「人気のあるもの」

といった基準で判断した結果、自分に合わない選択をしてしまうのです。

 

なぜそんなことになるかといえば、私たちには、判断基準がよくわからないもきや自分の判断に自信がないとき、

「他の人はどうしているんだろう」

と他人の動向を参考にする習性があるからです。

 

明確な判断基準がないとき、自分に似た他人を基準に判断する

 

社会的比較の理論によれば、どのような行動をとるのが適切か判断する絶対的基準がないとき、人は相対的基準を求める。

 

つまり他人がどうしているかを基準に判断しようとします。

 

その心理につけ込む説得的コミュニケーションもよく使用されるので、注意が必要です。

 

生命保険はどんな条件のものに入るべきか、老後の資金としていくらくらい貯めておくべきか迷うのも、まさにこれが正しいという客観的な判断がないからです。

 

そこで、

「みんなはどうしているんだろう」

と、自分と同じ年代の人の事例を参考にしたり、日本人の平均貯蓄額を参考にしたりします。

 

このように、自分のとるべき行動の妥当性を判断する客観的基準がないとき、私たちはみんながどうしているか、あるいは自分に似た立場の人がどうしているかを基準にしようとします。

 

とくに私たち日本人は、

「みんなはどうしているか」

ということに非常に過敏なため、

「売れている」「未来がある」

といった宣伝文句にとくに弱いので要注意です。