最善を尽くす目標より、具体的な目標を持つべき!
目標設定するなら最善を尽くす!よりも、【具体的な目標を掲げる!】
目標に達したときには自分に対して、ごほうびもあげましょう
目標設定理論
困難なほど高い目標がパフォーマンスを高めるというのは本当でしょうか
目標設定がパフォーマンスを高めるための鉄則
自分自身に厳しく課題を課し、自らを駆り立てていく人物は、放っておいても成果を出していきますが、多くの人は自分に甘く、ついつい楽な方に流されがちです
そこで必要となるのが目標による管理です。その根拠となっているのが目標設定理論です
それは、目標設定することがモチベーションやパフォーマンスにどんな影響与えるか?、また目標の設定の仕方によってモチベーションやパフォーマンスにどんな影響があるか?についての理論です
心理学者のロックとレイサムは、目標設定の効用について、次のように整理しています
①生産性を高める
②仕事の質を高める
③何が期待されているかを明確化する
④退屈感を軽減する
⑤達成することで成果及び仕事に対する満足感が高まる
⑥達成することで同僚や上司による承認が得られる
⑦フィードバックと承認が無意識の競争を誘発し、成果を押し上げる
⑧仕事への自信や誇りを強める
大なり小なり人生で一度や2度は誰でも、このような達成感などをかんじた経験はあるかと思います
目標を掲げ、突き進むプロセスの充実感や期待感は大きな力を生みます
「最善を尽くすように」より「具体的で困難な目標」
具体的な目標を与えるのがよいのか?、それとも最善を尽くすように指示するのがよいのか?について、様々な実験により検討が行われてきました
その結果、目標を曖昧にして最善を尽くすさせた場合よりも、具体的で困難な目標を設定した場合のほうが、モチベーションも高く、パフォーマンスも良いことがわかりました
最善を尽くせ!ということだと、どのくらい頑張ればよいかが曖昧なため、「これくらいでいいだろう」と、どうしても自分に甘くなってしまいます
さらに、成果を評価するにも、評価者である上司と最善を尽くしたつもりの部下との間で、「最善の水準」にズレがあり、それが双方に不満を生むことになります
例えば、部下の側は「こんなに頑張ったのに、なぜ評価してくれないんだ」と不満なのに、上司の側は「なんでもっと本気になって取り組まないんだ」と不満に思っていたりします
ただし、この理論がビジネス界に浸透してから、あまりに困難な目標設定が流行り、モチベーションの低い人物の意欲を削ぐような事態も生じています
やはり目標設定には、一人ひとりの性格を考慮する必要があります
天井効果
みんなが目標をクリアしてるのに、なぜ業績が伸びないのでしょうか
具体的で困難な目標を設定するのが目標設定理論の鉄則ということになると、常に次期の目標は今期の実績を上回る水準に設定することになります
たとえば、今年の売り上げ実績が3000万円だとすると、次年度の目標は3500万円に設定されたりします
これで次年度の目標をみんなで達成できたとしたら、業績はうなぎ登りに伸びていくはずです
ところが、ほとんどの人間が目標を達成しているのに、組織全体としての業績の伸びが今ひとつ、といったことが現実によくあります
なぜでしょうか?
そこで考えられる問題が天井効果と数字の辻褄合わせです
天井効果や数字の辻褄合わせを防ぐ手立て
数字の伸びが頭打ちになることを、天井効果といいますが、この場合は、目標を達成すると、それ以上に頑張ろうとしなくなる心理現象を指します
天井効果をもたらす主な要因として、次期の目標が今期の実績に上積みした水準に設定されるため、今年度の実績をできるだけ目標値スレスレに抑えようとする心理があります
今期頑張りすぎると、高い目標を設定されて次年度に苦しむことが予想されるため、「ほどほどにしておこう」といった心理が働くのです
また、目標を達成したかどうかだけで評価され、目標を超過した部分に対する評価(報酬)がないと、目標以上の成果を出すと損失感が伴うため、目標達成が見えてきたら
それ以上の成果を出さないように力をセーブさせる心理が働きます
天井効果を防ぐには、次期の目標を必ずしも本人の今期の実績をもとに設定するのではなく、今期の特殊要因を考慮したり、過去数年の平均をもとにしたり、今期の全員の実績の平均をもとにするなどの工夫が必要です
また、目標超過分に対する報酬を検討することも必要でしょう
営業会社では、個人実績の目標超過分に対して報酬が手厚い会社も実際にあります
会社の目標にしろ、個人の目標にしろ達成できる具体的な数字やイメージは持つべきですね
そこに到達するまでの、道のりでも高揚感を維持できて、より能力を発揮できますから。ぜひ、具体的な距離感がイメージできる目標を持ちましょう!