会社の会議は役割分担が必要の意味!
意義ある会議は "意図的" "わざと" 作り上げるモノ!
賛成役割担当・反対役割担当を決めておいて、中味の濃い意義ある会議にしよう!
全会一致はなぜ危ういのでしょうか
みんなの判断に引きずられる
組織は重要な方針を決定する際には、みんなで知恵を絞り、あらゆる角度から十分に検討する必要があります。
ところが、日本の組織の会議では全会一致を理想とするようなところがあるため、異論を唱えにくい雰囲気があります。
意見や質問が盛んに出て、すんなりと提案が通らないことを「会議が荒れた」などと言うこと自体、意見や質問はあまり出ないままに通ることが前提とされていることを示しています。
そのため、十分な検討が行われないままに愚策が通ったり、失敗が目に見えているアイデアが承認されたりといったことが起こります。
組織の不祥事の背景にあるのも、こうした全会一致を理想とする会議の雰囲気です。
そこに働いているのが、心理学者アッシュが実験によってその存在を実証した同調圧力です。
アッシュは、7人のサクラを用いた実験により、1人で行ったときには誤答率1%にもならない簡単な課題でも、サクラが相次いで誤答をすると、サクラの圧力に屈して誤答率が32%に跳ね上がることを証明しました。
他人の意向を気にし、気まずくなることを避けようとする日本文化の下では、このような同調圧力は非常に強いと考えられます。
全会一致は異論が許されない雰囲気があったことの証
このような無言の同調圧力の中、参加者の過半数が疑問に思っていた提案や、これは危ないのではと不安を抱いた提案が、「全会一致」で可決してしまう、といったことが起こります。
会議で誰も疑問を提起せず、反論もしなかったのに、会議が終わって部屋を出ると、
「まさか、あんな提案が通るとは思いませんでしたね…」
「ほんとに困りましたねぇ…」
などと歩きながら声をひそめて話す声が聞こえてくる。
あなたもそんな場面の経験があるのではないでしょうか。
ここからわかるのは、全会一致というのは極めて疑わしく、なんとも危うい決議方式だということです。
多様な人間が集まって本気で検討したのなら、異論が出ないわけがありません。
人によって視点が異なるのは当然のことで、全員の見解が一致するなどという事は、現実にはほとんどありません。
それにもかかわらず全会一致で決まったという事は、異論を出しにくい雰囲気に支配されていたということの証拠といえます。
疑問に思っても口に出しにくいムードにみんなが感染しているわけですから、誤った方向に踏み出してしまう危険があります。
これでは組織としてのリスクマネジメントが機能していないことになります。
デビル審理法
どうしたら本気モードの議論ができるのでしょうか?
1人でも同調圧力に屈しない人物がいるだけで抵抗しやすくなる
疑問点もしっかり議論して、あらゆる角度から検討することで、愚策が通るのを防ぐことができます。
では、同調圧力の影響を受けずにきちんとした議論をするには、どうしたらよいのでしょうか。
同調圧力について様々な実験的研究を行っているアッシュは、1人でも同調圧力に屈しない人物がいれば、本当の意見が出やすくなることを実証しています。
前項で紹介したものと同様の実験を行い、7人のサクラのうち6人が誤答しても、残りの1人が正しい答えを選ぶと、集団圧力に屈して誤答をする率は32%から5.5%とへと大きく低下することを発見しました。
ここから、味方が1人でもいれば、集団圧力に対する抵抗力が一気に高まることがわかります。
そうはいっても、日本の組織では、同調圧力に屈せずに率直に疑問を口にしたり反論したりする人物が出てくることは期待しにくいというのが実情です。
反対意見をわざと出させて空気を変える
そこで、提案に対して反対意見を述べる役割をあらかじめ特定の人物にあてがっておくことで同調圧力によるご判断を防ぐという方法が考えられます。
これが心理学者ワイズバンドが提唱するデビル審理法です。
反対意見を述べるデビル役を設定しておくという意味です。
それによって、提案に対して賛成意見しか出せないような空気は崩され、提案内容を多角的に検討することができるとともに、他の参加者も疑問点があれば率直に質問や意見を出しやすくするというものです。
ただし、日本の組織の会議では、意見が続出するということはあまりなく、沈黙が生じがちです。
そんな中で、いきなり反対意見だけ出るのも不自然であり、うっかりするとそれによって賛成しにくい空気がつくられてしまいます。
したがって、何らかの提案について本気で検討したいというときには、賛成意見を述べる人物と反対意見を述べる人物をあらかじめ用意しておくのがよいでしょう。
すぐに意見が出ないときには、両者が次々に口火を切るのです。
どんな提案であっても、そのメリットもあればデメリットもあるはずです。
賛成役割担当者は、そのメリットに付けて自分なりの意見を考えておき、反対意見担当者は、そのデメリットに焦点をつけて自分の意見を考えておきます。
それぞれが会議の場で意見表明をすることで、みんなが賛成の立場からも、疑問を感じる立場からも、率直に意見や質問を出しやすくなります。
このように予め役を決めておくパターンで、結果的に多様な意見を拾い上げ、議題を煮詰めていきましょう!
リーダーであれば変化に柔軟であれ!
リーダーシップに求められる要素
リーダーにもいろんなタイプのリーダーがいます。保守的傾向が強いタイプ。攻めの主張が強いタイプ。…etc
リーダーに必要な要素は何か?について探っていきたいと思います。
答えをいうなら時流や変化に合わせた柔軟な姿勢が大切だよ!ってはなしです。
それでは具体的に掘り下げてみていきたいと思います。
リーダーシップスタイルは相手に合わせて変えていく
起業した当初はうまく引っ張っていたのに、事業が軌道に乗り、安定してくると、部下たちの不満が多くなり、職場の雰囲気が悪くなって、みんなのモチベーションが下がり、自分のリーダーとしての資質に自信をなくした。
そんな悩みを口にする人がいます。
それは集団の成熟度によって適したリーダーシップスタイルが違ってくることに気づいていないのです。
事業が軌道に乗ってからは、起業した頃とはリーダーシップスタイルを変えていく必要があります。
では、どのように変えていったらよいのでしょうか。
そこで参考になるのは、心理学者ハーシーとブランチャードによるリーダーシップのライフサイクル論です。
ハーシーとブランチャードによれば、集団の成熟度が低い第1段階では、支持的な行動を中心とした教示的リーダーシップスタイルが有効です。
多少仕事に慣れてきた第2段階では、支持的な行動が中心とはなるものの、メンバーの気持ち面の配慮もする説得的リーダーシップスタイルが有効となります。
さらに集団が成熟した第3段階では、メンバーの仕事力は高まっているため、支持的な行動を減らし、メンバーのモチベーションを高めることを重視する参加型リーダーシップスタイルが有効になってきます。
集団の成熟度が最高度に達した第4段階では、メンバーの自主性や自立性を尊重し自由裁量の部分の多い委譲的リーダーシップスタイルが有効となります。
集団だけでなく、個人の成熟度にも対応する
どうでしょうか。
あなたが引っ張っている集団の成熟度に応じたリーダーシップが取れているでしょうか?
リーダーシップのライフサイクル論は、リーダーが自分自身のマネジメントスタイルを振り返る上でとても参考になります。
部下たちの混乱を招いたり不満を感じさせたりしないためには、集団全体の成熟度のみならず、一人ひとりの能力状態に合わせてリーダーシップスタイルを柔軟に切り替えていく必要があります。
例えば、知識面や技術面、段取り面など、まだ不慣れな部下には、明確な方向付けや指示を中心としたリーダーシップを発揮して、多少強引であっても【ぐいぐい】引っ張っていく必要があります。
一方で、習熟している部下には、徐々に自由度を高め、少しずつ権限を委譲し、責任を持たせ、自覚と自主性を促すことで、モチベーションを高めることが必要になります。
変革型リーダーシップ
変動の激しい時代にふさわしいリーダーシップとは
業務処理型から変革型へ
かつてのように産業構造が安定していた時代であれば、組織として目指すべき方向ははっきりしており、部署としてすべきことも明確なため、日常業務を滞りなく、能率的にこなしていくように促す業務処理型のリーダーシップが求められました。
しかし、IT化により産業構造が目まぐるしく変動する時代となり、組織としての動きも臨機応変に修正していく必要があります。
そんな時代には、業務処理型のリーダーシップでは対応できません。
部下に与えた課題の遂行を促すだけでなく、どんな課題を与えるかも絶えず見直していかなければならないからです。
そこで求められるのが変革型リーダーシップです。
ゴールに向けて部下を駆り立てるのが従来型のリーダーシップに対して、どこにゴールを設定すべきかを絶えず検討し、最適のゴールに向かえるように柔軟にゴールを修正していきます。
そのためには、以下のような視点が必要となるようにいわれています。
①組織の中だけでなく、組織を取り巻く環境にも目を向ける
②技術革新がもたらす人々のライフスタイルや欲求の変化に目を向ける
③組織の発展のために目指すべき方向性についてのビジョンを持つ
④慣習にとらわれずに、組織の発展のために必要な組織変革に目を向ける
⑤組織内の人間関係も大切だが、大きな視野に立って決断する
変革型リーダーシップの構成要素
心理学者バスは、変革型リーダーシップの構成要素として、
「カリスマ性」
「意欲を刺激すること」
「知的刺激を与えること」
「個別に配慮すること」
の4つを挙げています。この中のカリスマ性があれば、変革型リーダーシップは有効に機能する可能性が高まります。
そのためには、誰もが納得いくような説得力のあるビジョンを提示することが必要です。
人間というのは変化を嫌う保守的な面を強く持っているので、変革に目を向けさせるには、大きく心を揺さぶる必要があります。
本気で仕事に取り組んでいるという情熱と気迫が漂っていないと、何を言っても人の心を揺さぶることができません。
その意味でも、変革型リーダーには他を圧倒するような本気モードが不可欠です。
カッコよさげにいうと
狂の域に達するような組織の変革と発展への情熱です
現実には難しかったり、抵抗があれど
バカになれ!
ということですねっ
上司は部下に期待しよう!
どーも!たかびこです!
今回は会社の上司向けの記事になりますかねっ
自分の部下の能力を伸ばしてあげたいとすれば
君なら【やれる!できる!可能だ!】と期待してあげることですね
根拠といえば、人は期待されると能力を発揮できるという臨床心理の結果ですかね
言葉だけだと薄っぺらすぎて、ダメですよ!【期待】することの心が大切なんですよ
どんな効果が立証されているのか早速みていきましょう!
人は期待されると伸びる
期待することの効果は、ピグマリオン効果という用語で広く知られていますが、関係性が重要な意味を持つ日本の組織では、上司が部下に期待することの効果は大きいと考えられますよね。
ピグマリオン効果とは、期待する方向に相手が変わっていくことを指します。
もともとは、心理学者ローゼンタールが小学校舞台で行った実験で、
「この生徒たちは知能が高いからこれからぐんぐん伸びるはず」
と信じ込まされた教師たちの期待の視線を感じ、その生徒たちの成績が、実際に他の生徒たちよりも伸びたことに対して、ピグマリオン効果と名付けたことに対して発します。
本当は知能テストに関係なく、ランダムサンプリングで選ばれた生徒たちであったにも関わらず、
知能が高いと信じ込まされた教師たちの期待ゆえに、本当に伸びてしまったのです。
その後の研究によれば、伸びるとされた生徒とその他の生徒に対する教師の態度に違いがあり、前者に対しては明らかに期待していることがわかるような言動が見られました。
それを生徒たちは肌で感じ、期待に応えるべく頑張ったというわけです。
ピグマリオン・マネジメント
それをヒントにしたのがピグマリオン・マネジメントです。
一例として
マネージャーの期待が部下や部署のパフォーマンスに与える影響に関する事例により、次のような事実が明らかになってきたといいます。
①マネージャーが部下に何を期待し、またどのように扱うかによって、部下の業績と将来の昇進がほとんど決まってしまう。
②優れたマネージャーは、「高い業績を達成できる」という期待感を抱かせる能力を持つ
③無能なマネージャーは、そのような期待感を植え付けることができず、その結果、部下の生産性も向上しない。
④部下は部下で自分に期待されていると感じていることしかやらない傾向が強い
初年度に会社から期待されたことと5年後の昇進との相関は0.72となっており、両者の間に非常に強い関係があることを見出した研究もあります。
したがって、モチベーション・マネジメントとしては、上司が部下に対して、期待の視線を投げかけ、期待していることが伝わるような声がけを心がけることが大切といえます。
世の中の上司のみなさん!部下の可能性を信じ大いに期待する度量と、マネジメント思考を持ちましょうねっ ホント大事ですよ!
大事な商談・デートではリラックスできる空間のお店をチョイスしておこう!
大事な商談や相談事、またはデートのときには快適に過ごせる環境下で勝負しよう!
この記事は、物理的な環境が与える、心理テクニックを用いて商談のお相手・デートのお相手に、余分なことで不快な気持ちにさせない物理的環境条件を駆使した、おもしろい内容になっています。
人を評価する際、無意識のうちに環境条件の影響受けている
交渉事には人物の印象が影響します。
提示された条件が一緒でも、提示する人物の印象によって判断が違ってくる事は十分あり得ることです。
だからこそ商談の際には、多くのビジネスマンが印象マネジメントに気を使うのです
商談をする際には雰囲気の良いお店や、落ち着いた場所を探すのがよいと言われますが、それにはどんな意味があると思いますか。
快適な部屋(室温20℃、湿度30%) と不快な部屋(32℃、60%)を用意し、知らない人物の印象を評価させる実験したそうです。
快適な部屋で評価した人たちの方が、不快な部屋で評価人たちより明らかに好印象を抱いていました。
快不快は部屋の条件のせいであって、評価対象の人物のせいでないのは、誰でもすぐにわかることなのに、部屋の快適さによって人物の評価が違ってきてしまうのです。
極短な話、夏場の炎天下の中とクーラーの効いた涼しい屋内でと、イメージすれば、想像レベルでよくわかるとおもいます。
ここから言えるのは、私たちは無意識のうちに物理的環境条件の影響を受けて人を評価しているということですね。
好きな音楽が流れているときは、そうでない時よりも、人に対する評価が好意的になるという実験結果もあります。
こうしてみると、快適な環境を用意すると商談がうまくいきやすいというのは真実で、その理由は、環境により快適さを交渉相手の印象に結びつける勘違いが起こるからといえます。
無意識のうちにモチベーションが上がるとき
最近の心理学の研究では、環境刺激によって無意識のうちにモチベーションが刺激される心理メカニズムが心理学者バージの自動動機理論によって盛んに研究されています。
面白い実験があって、
例えば、交渉時に硬い椅子に座ると、柔らかい椅子に座る場合より強硬な姿勢をとり、なかなか妥協しないことが証明されています。
暑いコーヒーカップをしばらく持っていると、冷たいアイスコーヒーのグラスを持っていたときより、人に対して「温かく」、好意的な印象を抱くことも証明されています。
商談を成功させるには、快適な物理的環境を用意することが、いかに重要かがわかりますね。
また、
「完成」「成就」「格闘」「勝利」「成功」「努力」
などモチベーションに関連した言葉を探すゲームをすると、無意識のうちにモチベーションが高まり、モチベーションと関係しない言葉を探すゲームをした場合よりも、その後の課題のパフォーマンスが高いことも示されています。
ここから言えるのは、仕事へのモチベーションを高めるには、仕事環境にモチベーションを刺激する言葉や達成目標などを。ちりばめておくことも効果があるということです。
ビジネスで会食が多い理由
ビジネスではつきものの取引先との会食。実は心理学的に、とても合理的なんです
物理的環境を利用した云々・・・といえば、商談でもデートのときでも王道なのが食事ですねっ!
アメリカの心理学者ラズランは、商談や交渉の際に食事をしながら話をすると相手から好意的に受け取られやすいという心理作用を
「ランチョン、テクニック」と呼んでいます。
誰かと一緒に食事をすると、オキシトシンという愛情に関わるホルモンが分泌され、相手に対する親近感が高まり、好意的な反応を得やすくなるのです!
愛情&幸せホルモンで親密度アップ
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幸せホルモンと呼ばれる脳内物質です。おいしい食事をしたり、好きな人とデートしたりすると分泌されます。
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愛情ホルモンと呼ばれ、脳内で分泌されると、セロトニンの活動を活発にします。家族や友人と食事をしたりスキンシップをしたりすることで分泌されます。
・脳が錯覚する
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本来は関係ないかもしれないのに、おいしい食事をすることで得られる幸せが、食事相手との会話から得られていると、脳は結びつけて感じてしまいます。このように関係のない事象が結びついて感じられる脳の錯覚は「連合の原理」と呼ばれています。
※連合の原理
本来異なる事象が、結びついた現象であると脳が錯覚してしまう心理作用です。
CMキャラクターに好感度の高いタレントを起用して商品のイメージをアップさせるなどビジネスで日常的に活用されています。
好感度の悪い有名人は、わざわざ使わないというのはさておき・・・
おいしいものを食べながらの会話では、緊張がほぐれて気持ちがリラックスします。
また、関心や注意の一部が食べることに向かう分、相手の一言一句に神経をとがらせることがなくなります。
政治の世界では相談や交渉などに料亭が使われるのは常識ですし、アメリカでは朝食や昼食をとりながら会議やミーティングを行うことがあり、
・パワーブレックファースト
・パワーランチと呼ばれています。
恋愛も、デートコースに食事を入れるのはこういった心理学的側面も踏まえて効果的なんですねっ
仕事の商談でもデートでも環境が心理的に及ぼす効果は絶大!ということがわかりますね〜
夏場の暑い中なら、過ごしやすい涼しい屋内で柔らかい小さめの音のBGMが流れてて座る椅子やソファーもほどよいとかんじるフィット感を下調べしておいて・・・
っていうところから勝負ですね!
就職や転職で会社を選ぶ際のメンタルの指針
会社選びで就職・転職をする際に注意すべき点って例えばどんなことだろう・・?
この記事は、これから会社選びで
・注意すべき視点
・心構え
・世間の声
などを書いた内容になっています
結論は、日本人ならではの配慮の精神を、かんがみて選びましょう!ということです。
では、早速みていきましょう
衛生要因
どんな要因が職務に対する不満につながるのでしょうか
仕事に対する満足の要因と不満の要因は違う?
気持ちよく働ける職場にするには、どんな要因が従業員の満足や不満を生みやすいのかを知ることが不可欠です。
心理学者ハーズバーグは、職務に対する不満をもたらす要因と満足をもたらす要因が異なるとし、不満をもたらす要因を衛生要因、満足をもたらす要因を動機付け要因としました。
ハーズバーグによれば、私たちが職場に不満を感じる時は仕事の環境面に関心が向いており、満足を感じる時は仕事そのものに関心が向いています。
ゆえに、衛生要因は仕事を取り巻く環境面、動機付け要因は仕事そのものに関わるものということになります。
ハーズバーグは、衛生要因として、
・会社の方針管理の仕方
・給与
・職場の人間関係
・作業条件
を上げています。これらの中に納得のいかないもの、満足できないものがあれば、職務に対して不満を感じるようになるというのです。
モチベーション、マネジメントの観点からはこれら衛生要因に関して不満が出ないようにすること、不満があれば極力解消に努めることが必要といえます。
ただし、ハーズバーグは、いくら衛生要因を満たすようにしても、それは不満の解消になるだけで、積極的に職務満足をもたらし、モチベーションを向上させることができないといます。
そこで重要となるのが動機付け要因です。
ハーズバーグは、動機付け要因として、
・達成感
・他者からの承認
・仕事そのものによる満足感
・任されることによる責任感
・昇進
をあげています。これらが満たされることで職務に対する満足感が生じ、モチベーションが高まると言っています。
人間関係はモチベーションを高める要因ではない?
モチベーションマネジメントの観点からは、最低限、衛生要因を満たすのは必須の条件として、
その上で動機付け要因を満たすように仕事の与え方や業績評価の仕方を工夫する必要があるということになります。
なお、ハーズバーグは、職場の人間関係を衛生要因に位置づけていますが、人間関係は職場への不満のもとになるだけでなく、モチベーションにもなるというのは、日本ではよくあることです。
関係性を大切にする私たち日本人にとって、職場の人間関係は非常に重要であり、
・上司の期待に応えなければ
と思って頑張るとか、
・.職場の仲間との一体感で頑張る
というように、職場の人間関係がモチベーション要因となる事は珍しくありませんよね
しかし、モチベーション理論のほとんどが欧米で生み出されたものであり、それをそのまま異文化である日本に当てはめると失敗することを示す好例といえるかとおもいます。
他者志向性
日本特有の強力なモチベーションとは
日本では人間関係が強力なモチベーション
日本人には自分のためというより人の為、自分にとって大事な人のために頑張るという傾向があります。
そうなるとモチベーション・マネジメントにおいても、上司と部下、あるいは同僚同士など、関係性を良好に保つことが非常に重要となります。
当然、欧米流のモチベーション理論を日本向けに修正する必要が出てきます。
そもそも欧米人と日本人では自己のあり方が正反対といってよいほどに異なっています。
人の意向や期待を非常に気にする日本的な自己のあり方に対して、自主性がないとか自分がないなどと批判されることがありますが、
それは欧米的な自己観に、基づいた発想に過ぎません。
日本人の他者志向を未熟とみなすのは欧米流であり、他者との絆を強化し他者との絆を自分の中に取り込んでいくのも、ひとつの発達の方向性とみなすべきではないかと思います。
他者から切り離されていたほうが成熟度が高いとするのは欧米流の価値であって、日本流の価値観からしたら、他者を配慮できるほうが成熟度が高く、自分の視点からしか物事を見ないのは自己中心的で未熟と言わざるを得ない。
多くの日本人は、そのように感じていると思います。
他者志向性を活用する
仕事帰りに上司と飲みに行くことが少なくなり、ドライと言われる近頃の若者も、職場の人間関係を非常に重視している事は、
就職の条件でも職場の雰囲気が重視され、転職動機としても職場の人間関係が主要なものになっていることからも明らかです。
2017年の新入社員を対象に三菱UFJリサーチ&コンサルティングを実施した意識調査を見ても、
「今の会社を選んだ基準」
として、
・雰囲気がよいが47.4%
で一位となっており、
・仕事のやりがいがある38.3%
や、
・業績が安定している24.4%
・能力が活かせる18.0%
をはるかに上回っています。
さらに【会社に望むこと】としては、[人間関係がよい]が圧倒的な一位となっています。
日本能率協会が20代から60代のビジネスパーソンを対象に実施した意識調査を見ても、
【健康で働くために効果があると思うこと】
として最も多くの人があげたのは、
・職場の人間関係を良好に保つこと38.9%
であり、圧倒的な一位となっています。
このように関係を非常に重視する日本人にとっては、人間関係が最大のモチベーション要因といっても過言ではありません。
日本人なら肌感覚で「確かに!」って感じる人も多いかと思います。
モチベーション・マネジメントにおいては、そこを見逃さないようにすべきでしょう!
モチベーションの秘訣は失敗も成功も全て自分自身に
成功の理由も失敗の理由もすべて自分自身に帰属させる!成功すれば自分のおかげ!失敗すれば自分のせい!
この記事は仕事などのモチベーションについて
・なぜあの同僚はモチベーションが高いのか?
・なぜ自分はモチベーションが低いのか?
・モチベーションを上げるにはどうすればよいのか?
といった疑問を心理学レベルで解説しています
さっそく見ていきましょう
内的統制・外的統制
結果を決めている要因は自分の内側か外側かどっちにあるでしょうか
内的統制・外的統制とは?
あなたは仕事で成功した時や失敗した時、その原因をどのような要因に求める傾向がありますか?
心理学者ロッターは、ローカス・オブ・コントロール(統制の位置)という概念を提起しました。
自分の行動の結果をコントロールしている要因が自分の内側にあるか外側にあるかという意味です。
それによって内的統制と外的統制にタイプ分けしました。
簡単に言えば、成功や失敗の原因を自分の内的要因に帰属させる。
つまり自分のせいにするのか、それとも自分以外の外的要因に帰属させる、つまり他人や状況のせいにするかということです。
この原因帰属のスタイルは、個人の中でかなりの一貫性があります。
何かにつけて自分の内的要因に原因を求めるクセのある人と、自分以外の外的要因に原因を求めるクセのある人がいます。
自分の能力やスキルといった内的要因に原因を求める認知の仕方、つまり自分のせいにする原因帰属の仕方を内的統制といいます。
反対に、運や他人の力など外的要因に原因を求める認知の仕方、つまり自分以外の要因のせいにする原因帰属の仕方を外的統制といいます。
原因帰属のスタイルがモチベーションに関係する
内的統制型の人は、物事の成否を決めるのは自分自身の能力や、やり方だとみなす思考習慣を身に付けているため、
自分が能力を十分に発揮できれば良い結果が出るはずだ!頑張ればきっと良い結果がついてくる!
というように、ポジティブな見通しをもちやすく、高いモチベーションをもって行動できます
成功の決め手は能力や努力だと考え、仕事に必要な知識を仕入れる勉強したり、発想のヒントを得るための情報収集など、自分自身の能力開発に積極的になれます。
一方、外的統制型の人は、物事の成否を決めるのは運や状況や他人の力であって、
そこには自分には、どうすることもできない力が働いているとみなす思考習慣を身に付けており、無力感に浸りがちなため、モチベーションは低く、自分自身の能力開発にも、あまり積極的になれません。
自分の努力次第で切り開いていける、といった感覚は乏しく、成果がいまひとつな場面も
「取引先に気に入られてないからなぁ」などと開き直る傾向があります。
モチベーションがいまひとつという場合は、内的統制か外的統制かという視点でチェックしてみることをオススメします。
原因帰属
失敗したとき、あなたは何のせいにしがちですか?
内的統制型にも挫折に弱いタイプがある
前項で、自分のせいにするクセをもつ人がモチベーションが高い傾向が見られることを解説しましたが、ここで1つ疑問が湧いてきます。
何かにつけて結果の原因を自分の内的要因のせいにする内的統制型が、常に自信をもち、高いモチベーションをもって、前向きに頑張っているともいえないのではないかと言うことです。
頑張っても思うような成果につながらない時、自己責任の発想が、
「なぜうまくいかないんだろう。自分はこの仕事に向いてないんだろうか」
などといった思いを刺激し、かえって落ち込みをもたらし、モチベーションの低下につながるというケースも見られるはずです。
現に成果が上がっていない人が、
「どうせ自分は仕事ができないから」
と言ってやる気をなくしているというのはよくあることです。
そうなると、内的統制型とモチベーションの関係をどのように考えたらよいのでしょうか。
その疑問に明快に答えてくれるのが心理学者ワイナーによる原因帰属のタイプ分けです。
内的統制・外的統制という統制の位置の次元に加えて、固定的ー変動的という安定性の次元を設定し、外的要因としての課題の困難度と運を安定性によって区別し、内的要因としての能力と努力も、安定性によって区別しました。
決め手は失敗したときの原因の求め方
特に重要なのは、能力と努力の区別です。
ワイナーたちが検討したところ、原因帰属のスタイルとモチベーションとの間に密接な関係があることがわかりました。
単純化すれば、成功した時は安定的(能力適性)でも変動的(努力)でもよいので内的要因のせいにして、失敗した時は変動的な内的要因(努力・スキル)のせいにする
といった原因帰属のスタイルがモチベーションの高さにつながるというわけです。
成功したときは、
「自分は能力があるからうまくいったんだ」
(肯定的)と受け止めても、
「自分は努力したからうまくいったんだ」
(変動的)と受け止めても、モチベーションの向上につながります。
一方、失敗したときは、
「自分は能力がないからダメだったんだ」
(安定的)と受け止めれば、能力というのはすぐには向上しないため
「どうせだめだ」
といった気持ちになりモチベーションは下がるでしょうが、
「自分は努力が足りなかったんだ」
(変動的)と受け止めれば、
「もっと努力すれば次はうまくいくかもしれない」
と思えるためモチベーションが上がるはずです。
こうしてみると、ポイントは失敗したときの原因帰属の仕方にあることがわかります
難しく考えず【成功・失敗】いずれも内的統制(己)に意識を置き成功も失敗も原因は努力・スキルにあると考えればよいかと思います。
仕事のやりがいは学習することでやる気を発見できる!
どーも!たかびこです!
今回の記事は、現在就いている仕事に対して
・辞めることを考えている
・転職を考えている
・そもそもやる気を見出せない
という人向けの"やる気"を出すキッカケづくりにしてもらいたいと思い執筆しました!
結論からいえば、仕事に関係する(可能であれば)ことで、興味もてそうなことを、学習・勉強する!というのが答えになります。
なんの行動もせず、思考停止状態で、やる気を見出すことは不可能です!
しかし、本質的な部分に視点を向けることで、やる気のスイッチが入るキッカケは作れるものです
では、さっそくみていきましょう!
心理的報酬
不遇でもやる気を失わない人の心の内は?
報われない時にもやる気を失わない?
一所懸命に工夫して納得のいくプレゼンができたと思ったのに、ライバル社とネームバリューが違いすぎて、
集中できないというようなことが続くと、モチベーションが低下し仕事が適当になってしまうものですが、相変わらず頑張り続けられる人もいます
上司と折り合いが悪く、成果を出しているのに評価してもらえない時など、やる気をなくしてしまうものですが、上司の評価などに左右されずに、前向きに仕事に取り組んでいる人もいます
業界全体が縮小傾向にあり、会社の業績が低迷し、がんばっても給料が上がらない、どころかボーナスが減っていく状況で、モチベーションが低下するのがふつうなのに、モチベーションを高く維持できる人もいます
そのような人は報われない状況の中、どのようにモチベーションを高く維持しているのでしょうか
そこで考えなければならないのは、報われるか報われないかの基準です。
多くの人は、
・商品が売れた
・企画が通った
・上司から高く評価してもらえた
・昇格した
・昇給した
・ボーナスが増えた
などといった外的成功が得られた時に報われたと実感します
逆に言えば、そのような外的成功にとらわれている限り、モチベーションを維持するの相当、難しいです
そのような状況でもがんばり続けられる人は、外的成功にあまり価値を置いていないのです
内的報酬に価値を置くからこそ、どんなときもモチベーションを維持できる
このような違いを整理するのに有効なのが、外的報酬と内的報酬を区別する視点です。
外的報酬とは、金銭報酬や地位報酬など、人や組織から与えられる報酬のことです。
それに対して、達成感とか充実感とか仕事そのもののやりがいとか、自分の内側からこみ上げてくるような報酬が内的報酬です
外的報酬に価値を置いている人は、がんばっても給料が上がらないときや評価してもらえないときにはモチベーションが下がってしまいますが、
内的報酬に価値を置いている人は、そんなことには関係なく仕事に没頭することができます
いわゆる、集中しているフロー状態のような感覚ですね
高度経済成長期には、頑張って働けば給料が上がるし昇進もする。という形で外的報酬に価値を置く人も報われましたが、
低成長時代になると分配すべき経済的資源も増加せず組織も収縮気味で金銭報酬や地位報酬でモチベーションの維持向上を図るのは難しくなっており、
組織の側も、個人の内的報酬をアピールする必要が生じています。
そこで、参考になるのが心理学者ドゥウェックが提唱した達成目標理論です。
それによれば、達成目標には業績目標と学習目標の2種類があります。
業績目標とは、自分の能力を肯定的に評価されたい、あるいは否定的な評価を免れたいという目標のことです。
一方、学習目標とは何か新しいことを理解したり習得したりして自分の能力を高めたいという目標のことです。
営業職の人が、
「マーケティングの知識やコミュニケーション力を身に付けて営業力を高めたい」
と思う場合と、
「担当商品をたくさん売って営業成績を上げたい」と思う場合では、
努力の方向がずいぶん違ってきます。
後者の方が目先の業績は上がるかもしれませんが、長い目で見たら前者の方が力をつけてくるはずです。
教育の場でも、資格取得のために勉強している人は、試験に出そうな用語を暗記する勉強が中心となり、
資格と関係なく、その分野を極めたいと思って勉強している人と比べて、どうしても学びが浅くなりがちです
そこにあるのは結果を重視するか、自分の能力向上や熟達を重視するか、といった違いです。
仕事ができる人は学習目標を持つ
業績目標をもつ人物は、自分が周囲からあるいは上役からどのように評価されるかに強くこだわります。
それに対して、学習目標を持つ人物は、自分の能力の向上や成長を強く求めます。
その結果、両者の能力開発には大きな違いが出てきます。
業績目標をもつ場合、
・能力を高く評価されたい
・できない人物とみなされたくない
といった思いが強いため、できそうなことには積極的になれても、ハードルの高い課題や慣れない仕事には躊躇しがちです。
周囲からの評価にこだわるあまり、チャレンジ精神が萎縮してしまうのです。
一方、学習目標を持つ場合は、必要な知識やスキルを獲得して能力を高めたいと思い、貪欲に学んでいきます。
結果にこだわる気持ちよりも、
・能力を高めたい
・成長したい
という思いの方が強いため、ハードルの高い課題や慣れない仕事にも、
「これも勉強だ」「成長するチャンスだ」
と積極的にチャレンジできます。
そして、多くの研究により、仕事のできる人は業績目標でなく学習目標をもつタイプであることが証明されています。
ゆえに、本人は内的報酬(やりがい)を得られるように、【仕事に関わることがら】の中で興味・関心をいだける、若しくは、いだけそうなコトを探してみてはいかがでしょうか?
また、全く仕事に関係ないようなことでも、ひょんなことから、活かせる!ということもよくある話。
今何をしたいか?にスポットを当てて探ってみるのも、おもしろいかと思います。